携帯電話やスマホが普及していても、やっぱり腕時計は手放せない。そんな風に思いませんか?
手首を飾るアクセサリー、大人のおしゃれというイメージもある腕時計ですが、ほとんど手入れをしない人も多いと思います。
革製ベルトの腕時計の場合、革のケアを行わないと汗臭い、カビ、シミといった汚れが目立ってくることもあります。今回はそんな革ベルトの簡単な手入れ方法を紹介します。
目次
腕時計が汗で臭い!革ベルトのにおいを取る方法は?
腕時計の革ベルトが臭う……。この問題を抱える人は数多くいます。腕時計の革ベルトだけでなく、革靴や革製の鞄など、革製品に共通した悩みではないでしょうか。
どうして革ベルトが臭うのか。それは、革ベルトに細菌が繁殖する条件が揃ってしまうからです。細菌が繁殖する条件というのは「酸素、温度、湿度、栄養源」の4つの条件です。この条件が揃うと革ベルトで細菌やカビが繁殖して臭うようになります。
この4つの条件ですが、酸素は豊富にありますし、腕時計を使用する環境は生物が生きていくのにちょうど良い温度ですよね。汗をかくので湿度が上がりますし、皮膚の表面には皮脂や垢など細菌の栄養源になるものが豊富にあります。
つまり、革ベルトを腕に付けると自然と細菌が繁殖する環境ができあがり、臭うようになってしまうのです。
逆に言えば、「酸素、温度、湿度、栄養源」のどれかを除去すれば細菌が繁殖せず、臭わなくなります。ただ、酸素を無くすのは難しいですし、精密機械である時計を生物が生きていけないような温度条件下に置くことはできませんよね。
つまり「湿度と栄養源」をコントロールするのが、日常的に簡単にできる革ベルトのお手入れ方法になります。
【臭いの予防法1】湿度をコントロールしよう
革ベルトに汗が染みこむと湿度があがります。ということは、汗が染みこみにくい革ベルトにすればいいわけです。
まず、使用する前に革ベルトにクリームを塗りましょう。革に油分をしみこませることで汗がしみこみにくくなります。
革ベルトに塗るクリームは靴屋の革靴ケア用品コーナーで購入できます。いろいろな種類がありますが「乳化製のクリーム(蝋なし、無色)」が使い易いですよ。蝋が入っていないのでツヤはあまり出ませんが、艶出しが目的ではありませんから問題ありません。
まず、クリームを指先に少しだけ付けます。チョンと指先に少量付けるだけでOKです。これを、ベルトの内側(皮膚に触れる方)に塗り広げましょう。体温でクリームが温められ、綺麗に伸びてくれますよ。
少量ずつベルトの内側全体にしっかり塗り込んだら数分間放置した後、綿100%の布でしっかり拭き取ります。布は使い古しのTシャツなどでOKです。
表面にも同じようにクリームを塗って拭き取ります。この処理をしてから使うと汗が染みこみにくく、臭い予防になります。この手入れは2か月に1度くらいのペースで行いましょう。
【臭いの予防法その2】栄養源をコントロールする
これはとてもシンプルな方法です。「腕時計を外す時に、布で表面を拭く」「消毒用アルコールで拭く」これだけです。
まず、布で汚れを拭き取り、コットンパフに吹き付けた消毒用アルコールでサッと表面を拭きましょう。こうすることで細菌の栄養源となる皮脂汚れや垢を落とすことができ、消毒もできます。
さて、臭いの予防法を紹介しましたが、実際に「臭っている場合」は革ベルトを洗ってしまいましょう。これが一番手っ取り早い方法です。
革製品を洗うの?! と驚かれるかもしれませんが、ヨーロッパなどでは普通に行われている方法です。時計からベルトを外せるなら外すと洗い易いですよ。もし外せないなら、時計本体を濡らさないよう注意してくださいね。
【革ベルトを洗う方法】
(1)まず、革製品用クリーナーで表面の汚れを取り除きます。
(2)コットンパフやスポンジを水で濡らし、革ベルトを湿らせます。
(3)スポンジでサドルソープ(革用の洗剤)を泡立て、撫でるようにベルト全体を洗います。
(4)泡を布などで綺麗に拭き取ります(水で洗い流すのはNG!)
(5)風通しがよく乾燥した場所でベルトを乾かします。
(6)乾いたベルトに、乳化製のクリームを塗って数分間放置します。
(7)布で余分なクリームをしっかり拭き取ります。
サドルソープというのは馬の鞍用石鹸です。ヨーロッパで古くから使われている革製品用の石鹸で、革製品を手入れするクリームと同じような成分を含んでいるので、洗いながら手入れもできる便利な石鹸です。
サドルソープで洗ってから乳化製クリームで革に必要な油分を追加し、汗などが染みこみにくくしましょう。
なお、ベルトの皮の種類によってはサドルソープが使えないことがあります。クリームも革の種類によって向き・不向きがあるので、お使いのベルトが何の革でどんな加工がされているのか確認してから使ってください。
もう、どうしようもなく臭って困る! というなら、思い切って新しいベルトに変えて、新品の革にしてしまうのもひとつの手です。その時は、ベルトに合ったクリームやソープも購入して手入れを忘れないようにしてくださいね。
腕時計が汗でシミになっちゃった。綺麗にする方法は?
腕時計の革ベルトにシミができてしまった場合、次のような方法で綺麗にしましょう。
【軽い汚れの除去】
(1)柔らかいブラシや布で表面のホコリや汚れを取り除きます。
(2)革製品用クリーナーを布に取り、革の汚れを拭き取ります。
(3)綺麗になった革ベルトに乳化製クリームを塗り込み、数分間放置します。
(4)綿100%の布で余分なクリームを拭き取ります。
【落ちにくい汚れの場合】
この場合はサドルソープなどで洗いましょう。方法は前の項を参考にしてくださいね。
【カビによるシミの場合】
「カビを死滅させる」→「カビを拭き取る」→「洗う」→「クリームで手入れする」という手順になります。
(1)コットンパフや布に革製品用のカビ取りスプレーを染みこませ、革ベルトのカビを拭き取ります(カビを水で洗い流すのはNG!)。
(2)カビを拭き取ったら、新しいコットンパフや布に再びカビ取りスプレーを染みこませ、カビが生えていた周囲も綺麗に拭きます。
(3)革ベルトを日干しして乾燥させ、紫外線でカビを完全に死滅させます。この時、時計本体に直射日光が当たらないように注意してください。ベルトを取り外してから行うことをお勧めします。
(4)布やコットンパフなどに水を染みこませ、革ベルト全体を湿らせます。
(5)サドルソープをスポンジなどで泡立てて、革の表面を撫でるようにして汚れを洗います。
(6)布などで泡を拭き取ります。
(7)風通しがいい乾燥した場所で陰干しします。
(8)乾燥した革ベルトに乳化製クリームを塗り込み、数分間放置した後、布で余分なクリームを拭き取ります。
このケアは革靴のケアを参考にした方法で、革製品全般に応用できます。バッグや皮手袋、革ジャンなどにも使えますので、覚えておくといいですよ。
ただし、革の種類や加工方法、着色方法などによって使えるクリームや石鹸が異なります。革の種類・加工方法を必ず確認してからケアしましょう。
夏、腕時計が不快…。かゆみやかぶれ、あせもができない方法は?
夏に腕時計をしていると、手首の周辺がかゆくなったり、かぶれたり、あせもができたりしませんか? 特に通気性が悪い革ベルトの場合はトラブルになり易いですよね。
これは「汗腺が詰まる」ということが大きな原因です。腕時計のベルトによって汗をかいたままの状態で皮膚表面が圧迫され続け、蒸発しない汗・皮脂・垢などが汗腺を詰まらせてしまいます。
こうなると、外に出られない汗が皮膚の下に溜まって水疱になったり、皮膚表面が非衛生的になって細菌が繁殖するなどしてかゆみなどが起こります。
こうなると皮膚はとても弱くなり、外部からの刺激で傷ができやすくなります。腕時計のベルトで傷がつき、細菌やウイルスが入り込んでしまうと「とびひ」などの皮膚病になりかねません。ちょうど、赤ちゃんのオムツかぶれ・あせもなどのイメージですね。
こうしたトラブルを防ぐためには「ベルトが触れる部分を乾燥させる」ということが欠かせません。こまめに腕時計を外し、手首まで洗って清潔な状態を保つようにしましょう。トイレに行った時、時計を外して手首まで綺麗に洗うといいですね。
同時に、腕時計のベルトも清潔な布で拭きとって、汗や皮脂汚れを取り除くようにします。こうした腕とベルトのこまめなケアで皮膚トラブルを避けるようにしましょう。
なお、革ベルトよりも金属製のベルトの方が蒸れにくいので、夏はベルトを金属製に変えることもひとつの方法です。
ただし、金属アレルギーがある方は金属の種類によっては、かぶれよりも酷い状態になる危険があります。注意してくださいね。
もうひとつ、お勧めなのが智喜縫製さんが販売している腕時計のバンド用汗とりハンカチです。マイクロファイバー製の薄いタオルで、このハンカチの上に腕時計を巻きます。これによってハンカチが汗や皮脂汚れを受け止めてくれて、腕時計のベルトに汚れが付きません。
アスリートや医師達も利用しているそうです。レジャーや運動等で汗をかく時は利用してみるといいですね。
腕時計のレディースで汗に強いのは?ビジネス用とプライベート用のおすすめ!
皆さんは腕時計を選ぶ時、なにを基準にするでしょうか。私は次のような点を重視します。
・ソーラー電池(電池の交換が不要)
・金属ベルト(手入れが簡単、切れない)
・文字盤が小さ目(腕に付けていても邪魔にならない)
人によって好みは違うと思いますが、手入れのし易さ、汗に強い、使い勝手がいい、という面では金属製のベルトがお勧めです。
なお、金属アレルギーがある方はチタン製など、アレルギー対応金属で作られたベルトを選びましょう。もしくは撥水加工された革ベルトで、ベルトを取り替えやすい製品を選ぶといいですよ。
ちなみに、革ベルトでもスエードなど起毛革製品、エナメル革、爬虫類革はサドルソープなどのケアグッズが使えないことが多いので避けた方が無難です。
女性向けの腕時計で、汗に強く、手入れし易いお勧め商品を紹介しますね。
バンビ
こちらは、時計の革製ベルトのメーカーです。とにかく、革のベルトのラインナップが豊富です。お手元にある時計の革を変えるだけで印象がガラリと変わるでしょう。
特に注目したいのは、夏でも汗を気にせず使用できるスコッチガードレザー、アレルギー体質の方向けのエコピュアラ、そしてなんとクロコダイルの革に撥水加工を施したプレミアムクロコという商品もあります。
3,000円程度からあるので、汚れてしまっている、臭いが気になる、という方はこの機会にベルトを汗に強い素材の物に変えてみてはいかがでしょうか? ビジネス用、プライベート用で色を使い分けることもできますよ。
CITIZEN
なんと言っても、このメーカーは外せません。女性向けブランド「シチズン エル」はビジネスでもプライベートでも使える万能デザインな上に、電池交換不要なのがポイントです。
値段は高くなりますが、金属アレルギーの心配が要らないスーパーチタニウム製の時計もあります。私は父がCITIZENの時計を使っていたこともあり、高校生の頃からCITIZENの時計を愛用しています。
SEIKO
こちらも有名メーカーで、お手頃なものから高級腕時計まで幅広く扱っているブランドですよね。
ルキア
このブランドのソーラー電波時計は、時刻合わせも不要で一押しです。
ティセ
シンプルですが、大人しい中にもかわいらしさを忘れないデザインが、ビジネスにもプライベートにもほど良くマッチします。
ドルチェ&エクセリーヌ
値段は高くなりますが「プレステージライン」がエレガントでお勧めです。ダイアモンドが散りばめられた豪華なデザインでありながら、ソーラー電波時計という実用的な機能も兼ね備えた時計です。
私自身が実用的でシンプルなものが好きなので、ベーシックな時計の紹介になってしまいましたがいかがでしょうか。
ティファニーやグッチなど海外ブランドの時計も素敵ですが、身近な大手メーカーの方が修理やパーツの交換が簡単でお勧めです。ビジネス・プライベート両方で長く使う上では、ケアが簡単な方がいいと思います。
まとめ
だんだん使う人が減っている腕時計ですが、時間に追われるビジネスシーンではなにかと便利です。
また、腕を露出する夏は手元のオシャレアイテムとしても使えますから、ぜひ、お気に入りのひとつを探してみてください。