働くママにとって子育てと仕事の両立はとても大きな問題です。
妊娠・出産が命がけの仕事だったのに、その後も育児という面で「自分以外を優先する人生」を歩むことになる上、さらに「生き方・働き方を変えなければならない」という大きな壁にぶつかることがしばしばあります。
よく「夫婦で話し合って」「家族で協力して」というような言葉を聞きますが、なかなかそうはいかないと感じるママは多いですよね。働くママが感じている悩みやストレス、夫や男性に対して叫びたいことを考えてみました。
目次
子育てと仕事の両立の悩みトップ3!
女性の社会進出が進んでいる、一億総活躍社会、育メンなど、いろいろなことが言われていますが、日本の家庭や社会はまだまだ働くママにとって優しくない面が多いと感じませんか?
実際、男性の家事・育児参加時間も欧米と比較すると1/3程度だったり、管理職の率だったり、まだまだ「男女平等」とは言えない状況が続いています。
こんな中で頑張る働くママの子育てと仕事の両立の悩みは、ほとんどが次の3点にしぼられるのではないでしょうか。
・育児の負担が母親に偏る
・職場の理解を得るのに苦労する
・息抜きする時間や場所がない
家庭内の環境、会社の制度、そして自分自身を大切にする時間。こうした3つのポイントで大きな悩みがあるように感じます。
育児の負担が母親に偏る
「残業が多い」「出張や会議を、子供を理由にして休めない」「母親のほうがうまくできる」と男性も悩んでいるかもしれませんが、やはり家事や育児の負担は母親に偏りがちで、働くママにとってみると「不平等」と思えてしまいます。
職場の理解を得るのに苦労する
「男性が多い職場」「未婚・子供がいない同僚が多い」「人手不足の職場」「残業が多い」などの理由はさまざまですが、子供が熱を出しても「休みます」と言えないことってありますよね。インフルエンザなど出席停止になる病気に子供が感染したりすると最悪です。
息抜きする時間や場所がない
起きた瞬間から家事育児に追われ、子供から離れている時間は仕事時間、帰宅しても家事育児で、気が付いたら真夜中(もしくは子供と一緒に寝落ち)。そしてまた戦場のような朝を迎えます。
こんな毎日の繰り返しで「一人になって息抜きする」ということが許されないママも多いでしょう。中には「息抜きしている=サボっている」というような周囲の厳しい視線にさらされるママもいるかもしれません。
「仕事を終えて保育園に迎えに行く前、カフェでコーヒーを買っているところを偶然、職場の同僚に見られて『子供をダシにして会社の育児時間を使って遊んでいる』と噂を流され、上司から育児時間の取り消しを指示された」
こんな友人もいました。
上記の3つの悩みは簡単に解消できることではありません。だからこそ働くママの多くが悩み、退職という道を選ぶケースもありますね。
子育てと仕事の両立でおこるストレスはどう解消した?
抱える悩みを簡単に解消できないから、といってストレスを抱えたままにしていると最悪の場合は「うつ」になってしまいます。なんとか自分に合う方法で解消したいですよね。
ですが、なかなかストレス解消の「時間」や「自由になれる場所」を確保できないのも事実です。いや、そもそも「時間」や「自由になれる場所」を確保できるならストレスは溜まりません。
八方ふさがりのようにも思える状況ですが、私は次のような方法でストレスを解消していました。
【解消法1】お手軽、簡単、お風呂アロマでリラックス!
これは入浴剤を買いそろえて、毎日、好きなお湯と香りを楽しむ、というものです。
入浴剤を選ぶこと自体が面倒なので、とりあえず入浴剤のシリーズを複数まとめ買いしたり、ホームセンターなどで小分けタイプの入浴剤の袋詰め(セット)を購入する、といった方法で、香りの異なる入浴剤を買ってきます。
入浴剤は子供にも好評です。一人にしても転んだり、滑ったりする可能性が低い2歳以上の子供なら、お風呂に砂遊びセットや人形を持ち込んで遊ばせておくといいでしょう。
喜んで色水遊びをしている横で、ママはのんびり湯船に浸かってボーッとする。例え1分でも至福の時間です。
PCをよく使う仕事だったので、私はアイマスクをして目を温めたり、熱めのお湯をかけたタオルを肩に乗せたりしてリラックスしていました。
【解消法2】車の中でロックをガンガンにかけて聞く
私は車で通勤していました。保育園に子供を預けて職場まで行く間、職場から保育園に迎えにいく間は、ヘビーなロック(英語)を大音量でかけて聞いていました。
非日常的な状況に自分を置いて、なにも考えない時間を過ごすという、母でも妻でも会社員でもない時間は重要でした。
若くして女性課長になった上司(1児の母)は、寝る前に必ず缶チューハイを1本飲む、と言っていました。アルコールの力で「なにも考えない状態」にしなければ、脳がリセットできず、夜も眠れない(仕事のことを考え続けてしまう)のだそうです。
方法は人それぞれかもしれませんが、脳をリセットする瞬間が必要なのかもしれません。
【解消法3】父子で遊びに行かせる(母ひとりが家に残る)
私は休日「今から1時間、子供を連れて公園で遊んできて」と夫に言い、父子で遊びに出かけてもらいます。
酷い言い方かもしれませんが、夫や子供がいないほうが家事は断然はかどります。
できれば一気に片付けたい派なので、1~2時間外へ出てもらって、その間に片付けや掃除、作り置きおかず作りなどをします。
「やらないといけないのにやっていない!」そんな家事がいっきに片付くとスッキリしませんか? 特に悩んだりストレスを感じた時に「洗濯や掃除がしたくなる」というママ、いませんか?
子供が機嫌良く元気に外で遊んでいる、というだけで私は気持ちが楽になります。そんな意味でも、父子で遊びに行かせることは、一種のストレス解消法です。
子育てと仕事の両立で男にできることは?
どう言っても、子育てと仕事の両立に夫やパートナーの手は欠かせませんし、職場の上司・同僚の男性にも理解して欲しいことはたくさんあります。
・子供は夫婦で育てる
・風呂洗い、ゴミを集めて出す、食器の後片付けなどの家事を日常的に分担する
・「働くママという存在」を認めてもらう
こうしたことを夫や世の中の男性、そして未婚の女性にも考えて欲しいと思います。
子供は夫婦で育てる
子供は産めば勝手に育つものではありません。親がその手をとり、ひとりで社会に出て生活していけるように導いていかなければなりません。このためには「父・母、それぞれが平等に責任を負う」必要があります。
親にはたいてい「こんな子になってほしい」「得意な面を伸ばしてあげたい」といった願望がありますよね。
特にママは「親がどんなことをすれば子供のためになるのか」「どんな道を子供に示してあげられるのか」ということを常に考えていて、パパにも一緒に考えて欲しいのです。
このことが顕著に表れるのは「習い事」だと思います。子供が3~4歳くらいになるとママは、英会話、リトミック、公文、ピアノ、スイミング、体操、バレエなどさまざまな習い事に目を向けます。また、そうした習い事をさせられないことで思い悩みます。
「そんなのまだ必要ない」
「お前がやらせたいなら、やらせたらいんじゃない?」
「俺は送迎できないからな」
パパはこんな反応をしていないでしょうか? それはママのストレスを増大させるNGワードですよ。
反対するなら「俺はこういう面を伸ばすほうが子供に合っていると思うから、もう少し大きくなってからXXXをさせる方がいいんじゃないか?」というように、根拠となる考えや、父親としての希望などを織り交ぜて返事をして欲しいのです。
間違っても「他人事」のような返事はしないでください。そして少しは「どんなことが子供に合っているのだろう?」と考えてみてください。
「子供のことを考え、子供のことに自分の時間を割いている」という姿勢が見えてこないと、妻は「私ばっかり!」とイライラ・ストレスを増大させていきますよ。
風呂洗い、ゴミを集めて出す、食器の後片付けなどの家事を日常的に分担する
「日常的な家事」を負担しているパパはどれくらいいるでしょうか?
・真夜中に帰宅して飲食した後、食器をまとめて食洗機に入れて洗う
・夜中に入浴した後、お風呂を洗う
・ゴミ出しするだけでなく、毎週2回、家中のゴミを集めて指定のゴミ袋に入れ、空になったゴミ箱にゴミ袋を追加する
こうした小さな家事を日常的に負担して、ママの家事負担を助けてください。
こうしたことを毎日積み重ねることで「食洗機に入れやすい食器を使う」「お風呂は洗うだけじゃなくて排水溝の髪の毛も捨てる」「ゴミ箱に入れる袋と指定袋の在庫を把握する」といった、小さいけれど毎日しておかなければいけないことが見えてくると思います。
妻・母親という生き物はこうしたことを常時、自然に把握して行動しています。そしてそれが「当たり前のこと」を思っているケースが多くあります。
こうした点に「夫が考える家事」と「妻がやる家事」のギャップがあるように思います。
「働くママという存在」を認めてもらう
「働くママ」という存在を広く認めてもらうことは難しいかもしれません。ですが、職場の上司が「職員が休んでも仕事をストップさせずに済む方法」を考えてくれればありがたいと思います。
「働くママ」を「仕事から外す」のではなくて、「プロジェクトの構成員が休んでも進めていける構造・体制を整える」ということに目を向けてくれないでしょうか。
・プロジェクトの進行表を共有する
・主担当と副担当を決めてカバーしあえる体制をつくる
・勤務の始めと終わりを融通できる
・子供のために途中で職場を抜けることが可能
こうした制度が会社にあるとママはとても働きやすくなります。特に「子供のために途中で職場を抜けることが可能」という制度が私は会社に欲しかったです。
もし、この制度があれば、子供が熱を出して保育園からお迎え電話を受けたとしても「今から保育園へ子供を迎えに行き、そのまま病児保育に預けて戻ってくるので午後のプレゼンは出ます」ということができました。
なかなか難しいですが、こうした制度が少しでも会社に広がり、自由度の高い働き方ができるといいなぁ、と思います。そして、同僚や後輩の目にも「優遇されている」「ずるい」という風ではなく「ひとつの働き方」「いずれ通る道」というように映るといいなぁ、と思います。
まとめ
ママが子育てと仕事を両立させ、子供の前でも社会でも輝くためには「ママが欲しい」と思える協力体制や制度が家庭や会社に整っていなければなりません。
そうしたことが少しでも広く理解されていくと、子育てと仕事の両立の悩みは減っていくのではないでしょうか。