汗をかきすぎると良くないのはナゼ?汗っかきが症状の病気8つ

汗 かきすぎる

汗 かきすぎる

汗をかくことは決して悪いことではありません。人の体温調節のため、健康な代謝や肌の状態を保つためにも大切なことです。しかし、汗をかきすぎることが問題になることがあります。

特に「異常」と感じてしまうほどの汗は病気のサインである可能性があります。

今回は、汗っかきという症状が見られる病気について調べてみました。

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原因がまだわかっていない<多汗症>

汗をたくさんかく、ということで有名な病気が「多汗症」です。原因は色々で、多量の汗をかく場所も顔だったり、脇だったり、背中だったり、全身だったり様々です。

これ、という確実な原因が不明なので「これで確実に治せる」という治療法はありませんが、汗をかくシチュエーション、状況を詳しく分析すること、そして皮膚科などで診断を受けることによって対処法を見つけ出すことができます。

【原因と考えられていること】
遺伝/喫煙/肥満/アポクリン腺の活動が活発/自律神経障害/更年期障害/ホルモン異常

汗をかく腺はエクリン腺とアポクリン腺の2種類あります。エクリン腺は全身にあり、アポクリン腺は脇・乳首・性器周辺に集中しています。

このアポクリン腺の活動が通常よりも活発な場合、強い臭いのする汗、服が汗染みで変色するといったことに悩まされます。

そして、本来、水分が多くて臭いが少ないエクリン腺からの汗でも臭いなどのトラブルが発生することがあります。

それは、全身にあるエクリン腺の一部が休眠状態になってしまい、特定のか所しか働かない状態に陥っている場合です。

こうなると働いている一部の汗腺に汗が集中し、汗の処理がうまくできません。汗の中のミネラル分などを充分に吸収できないまま汗を体外に出すため、この汗が乾くと肌がベトベトするようになります。

ここで細菌が繁殖すると臭いの原因になったり、汗腺が詰まったりします。そうなると汗腺の機能が低下し、使える汗腺が減ってしまい、更に特定の部分から大量の汗が出るようになってしまいます。

他にも、発汗をコントロールする交感神経・副交感神経のバランスが取れていない、ホルモンバランスが崩れて代謝異常が起こっている。そうしたことが多汗症の原因とも考えられています。

多汗症の場合は、皮膚科や美容外科などで診察を受け、どこから、どういう時に、どれくらいの汗が、どんな風に出るのか。他の症状がないか。こうしたことを確認した上で薬を服用する方法や手術で症状を緩和するようにします。

緊張やストレスが原因<精神性発汗>

緊張して手汗が止まらない。面接やテスト前になると、やけに汗をかく。そんな人はいませんか? それは精神性発汗と言われ、緊張やストレスから交感神経が興奮することが原因で発汗する、と考えられています。

多少であれば普通の反応なので問題になりませんが、体臭がきつくなる、タオルを握っていないと滴り落ちるくらい手汗や顔汗をかく、というケースは問題ですよね。

汗はエクリン腺から出る汗なので本来は臭うことがありません。エクリン腺では、汗に含まれるミネラル分を吸収してから排出します。

しかし、突然、大量の汗をかくと汗腺がミネラル分を充分に吸収する前に体外へ排出されます。このような汗が皮膚の表面で乾燥するとミネラル分がベタベタと皮膚に残ります。これを細菌がエサとして増殖すると臭いや皮膚炎症の原因になってしまいます。

不安・緊張・ストレスが引き金になるケースがほとんどなので、これらに対処することができれば精神性発汗は緩和できると考えられます。

漢方薬や抗コリン薬(発汗を促す物質の分泌を抑制する薬)を活用する治療法があります。他にも手頃な対処法として、制汗剤を活用する方法もあります。ただ、制汗剤を利用すると汗腺にフタをして汗を出さないようにするだけで根本的な治療にはなりません。

時間は掛かるかもしれませんが、病院で診断を受けて適切な方法で治療を続けるほうがいいと思います。

ホルモンのバランスが崩れる病気<バセドー病・更年期障害>

多汗の症状がある病気には、ホルモンバランスの崩れが原因のものがあります。

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バセドー病

バセドー病は甲状腺を刺激する物質が必要以上にどんどん作られていまい、甲状腺ホルモンが通常よりも多く体内に分泌されてしまします。

甲状腺ホルモンは新陳代謝を活発化させます。パッと見は元気で皮膚の状態もよく、はつらつとしているように見えます。

しかし常に新陳代謝が活発な状態なので、動いていない時でも体の中は全力疾走しているような状態です。無駄にエネルギーを消費している状況といえますね。

動悸、息切れ、痩せる、暑がったり汗をたくさんかく、甲状腺が腫れる、瞼の異常(瞼の異常によって目が飛び出して見える)などの症状が出てきます。

投薬による治療がメインですが、甲状腺を切除したり、ヨウ素を使って組織を一部破壊して物理的にホルモンの分泌量を減らす方法があります。

更年期障害

多くの女性が閉経を迎えた時に抱える悩みのひとつです。閉経すると女性ホルモンの分泌量がいっきに減ります。これによって、のぼせ、頭痛、突然の大量の汗、耳鳴り、だるさ、イライラする、不眠といった症状が出てきます。

ホルモン剤を投与して症状を緩和する方法、漢方薬よる症状改善など、症状に合わせた対処療法があります。女性なら誰もが直面するものなので正しい知識を得ておきたいですね。

自律神経のバランス崩れが原因<糖尿病・自律神経失調症>

糖尿病を発症すると、多汗になる、という話を聞いたことがあるでしょうか。

糖尿病によって血糖値に異常が出て、異常な血液状態が続き、代謝力が落ち、全身に栄養が回らなくなることで血管や神経にダメージが蓄積していきます。

こうした症状が進行すると「神経障害」が起こるようになります。そうなると自律神経系のバランスも崩れて多量の汗が出るようになります。

さらに、肥満が原因で糖尿病になっている場合、肥満が多汗の原因であることもあります。

また、交感神経と副交感神経という、人の意志とは関係なく働く自律神経のバランスが崩れる症状「自律神経失調症」が原因で多汗になることがあります。

いろんな病院で見てもらっても「頭痛がする」「だるい」「倦怠感が抜けない」などの症状があるにも関わらず、特別な異常が見付からない場合に「自律神経失調症」と診断されます。

この自律神経の乱れは強いストレスが原因と言われています。時には、生活面に影響するほどの症状が出ることもあります。

自律神経失調症であっても、特定の場所に強い症状が現れる場合は別の診断名が付くこともあります。「過敏性腸症候群」「胃・十二指腸潰瘍」「過呼吸症候群」「更年期障害」などが代表的です。

こうした病名でも多汗の症状が出ることがありますよ。

その他<血液の病気の白血病・結核>

他にも、白血病になって血液に異常が生じたことが原因で多汗の症状が出ることがあります。白血病はご存知のとおり、正常な白血球が作られなくなり、癌化した未熟な白血球が全身に回って増殖してしまう病気です。

白血球の減少:発熱や多汗
赤血球の減少:貧血、顔が蒼白になる、疲労感が抜けない、脱力感
血小板の減少:出血が止まらない、あざができる、鼻血や歯ぐきからの出血

多汗以外にも、上記のような症状が出てきます。恐ろしい病気であることは間違いありませんが、小児の場合は化学療法で8割が治療できると言われていますし、成人でも30~40%は完治すると言われています。

もし、多汗の他にも、出血に関する症状が出てくるようであればできるだけ早く精密検査を受けたいですね。

もうひとつ恐ろしい病気に結核があります。メインの症状ではありませんが、多汗も結核の症状のひとつに含まれます。

感染者が減り、過去の病気と思われがちですが、若い人を中心に散発的に感染者が確認されています。長期間咳が続く、だるい、寝汗が酷い、そんな場合は病院で精密検査を受けてみるといいと思います。

特にハードな仕事、疲労が溜まっている、体力が低下しているような状態でしつこい咳、倦怠感、寝汗といった症状が出ている場合は結核も可能性のひとつとして考えていいかもしれませんね。

まとめ

多汗は自律神経系のトラブル、ホルモン異常の他にも、白血病や結核といった恐ろしい病気の可能性を秘めています。

たかが汗、と思わず、他の症状の有無も合わせて自分の健康を見つめ直し、定期的に健康診断を受けたり、心配な時は精密検査を受けるなどして診断を受けるようにしたいですね。

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